みなさんが当てはまるとは限りませんが、親への憎しみや恨み、怒りといった感情は、容易に消し去ることは出来ません。
かといってそのまま気にしないフリをして気持ちを押し殺したとしても、積もりに積もったストレスがいつか爆発してしまう可能性もあります。
今回は「親がうざい」「親ガチャ失敗」というような考えが頭を巡ってしまった時の対処法や考え方を、実際に私が取り入れていた方法も含めてご紹介します。
親を嫌いになる理由
偉そう
親は子供より年を重ねている分人生経験が豊富なのは確かです。
社会人としての苦労、子育ての大変さ、お金のやりくりなど、様々な困難を乗り越えてきたという事実があります。
特に一家の大黒柱であれば、社会人としての責任だけでなく、家族を養っていかなければならないという重圧にさらされた時期もおそらくあったでしょう。
しかしながら、「自分は家族のためにお金を稼いでいるから偉い」や「自分の言う事を聞いて当たり前だ」という思考に陥ってしまう親は多いです。
中には、ネグレクトやDVを行ってしまうケースもあります。
これは幼少期だけに限ったことではありません。
でも、子供を生んで育てるという選択肢を選んだのは親であり、育てていくことでどういう壁が立ちふさがるのかシュミレーション出来ていない親にも責任があると言えます。
ましてや親といえども、一人の人間です。
世界中のありとあらゆる知識や経験を漏れなく網羅しているとは限りません。
結局のところ自分が体験したことしか正確に伝えることは難しいです。
加えて、子供は親以外の人とも関わることによって、様々な価値観や人格が形成されていきます。
なので、頭ごなしにまるで知識をひけれかすような説教は心地のいいものではありませんし、言っていることが全て正しいわけではないのです。
厳しすぎる
苦労の日々を重ねていた人からすると、「自分より楽をしている人間を許せない」という心理が働くこともあります。
何故なら、人生が思うようにいかなかったというトラウマが大きいため、苦労していない人を見ていると不公平に感じるからです。
しかしながら、様々な要因から、親自身でも耐えられないような要求や意味のないルールを、自分より立場が弱い、もしくは気にいらない人に向けて突きつけてしまうケースもあります。
例えば、ひと昔前であれば、部活動で水を飲む行為は「根性なし」とみなされ、場合によっては監督が罰を与えていました。
これは冷静に考えると、水分は人間の生命活動において絶対に必要なものであり、わざわざ運動パフォーマンスを下げるような行為は必要ないわけです。
加えて、人間の体から約20%の水分が失われると生命の危機にかかわるとされていますので、一歩間違えると死に至ります。
上記で述べたことは極端な例かもしれませんが、いずれにせよ、行動が制限されればされるほど人間はストレスを溜めやすいものです。
暴力や暴言
家族を力で支配することで威厳を保とうとする親がいます。
しかしそれが体罰であるならば、子供にとってはとてつもないトラウマとなって、ふとした時にフラッシュバックで蘇ることもあります。
それぐらい子供の頃の体験は、大人になっても鮮明に残るものです。
でも親にとっては、被害を受ける側の痛みや苦しみを無視した上で、子供のためを思ってという言い分があります。
これは言葉の暴力に対しても言えることで、手を出さなければ何でもしていいわけではありません。
認めない(信じない)
子供がどんなに自立しようが、親はいつまでも心配してしまうものです。
しかし、子供がやりたいこと、達成したい目標を掲げていたとしても、「どうせお前には出来ない」や「そんな無駄なことやってる暇があったら仕事しろ」
などと実力の限界を決めつけられ、その結果、当然子供自身も自分を信用出来なくなり、親と話したいという気持ちが冷めてしまいます。
過干渉
自分の行動を常に監視されると、ストレスが溜まってしまうのは当然の結果です。
たとえ家族だとしても、距離感をある程度保つことは、精神衛生上とても大切なのです。
親が子供に過干渉になってしまう原因の一つとして共依存関係が挙げられます。
共依存とは簡単に説明すると、他人の問題を自分の事として捉え、世話をしたくなる人が身近にいると成立する関係のことです。
共依存関係は、家族だけでなく恋愛でも見られるもので、エスカレートするとお互いに良好な関係が保てなくなります。
親の意見を聞くべき理由
上記では主に子供目線での親のイメージについて説明しましたが、親と関わることで得られるものもあります。
人生の勉強になる
親は、学校や職場、遊びや雑学など、子供より先に様々な経験を経ています。
なので、親と接することで、どういうことをしたら失敗するのか、何をしたら物事を解決できるのかということを学ぶ事が出来ます。
自分ではどうしようもできない困難にぶち当たった時、きっと強い味方になるでしょう。
親になってから初めてわかることがある
親は、結婚や出産、家計の負担、親同士の人間関係など、実際に体験しないと子供には理解しがたい悩みを抱える時期もあります。
自分が実際に親になると大変さを実感することもあるでしょう。
常に客観的に生きることは難しいものです。
それぞれの立場にならないとわからないこともあるということを理解しておきましょう。
親を反面教師にする
親をどうしても許せない場合は、無理に好きにならなくていいですし、罪悪感を感じる必要もありません。
人を嫌いになるのは、それなりに理由があります。
むしろ親の思考や行動から学ぶことが出来ると考えましょう。
例えば、親から暴力や暴言を受けてきた人であれば、自分に子供ができた場合、子供の痛みがわかるようになります。
親が嫌いになった時に私が実際に取り入れていた対処法
私自身、親との関係にすごく悩む時期がありました。
そんな時に役に立った解決策をご紹介します。
物理的に距離を置く
これが一番効果的だと言えます。
何故なら、物理的距離を離すことで、その日から親との関わりを目に見える形で減らすことが出来るからです。
同時に、親の手を借りずに生活していかなければならないので、嫌でも自立します。
距離を置く方法としては、引っ越しが有効です。
特に一人暮らしの場合は、選択肢を自分で決めることができ、それに伴って責任が自分に戻ってくるため、考える力や行動力が自然に身に付きます。
メタ認知
メタ認知とは、自分が認知していることを認知するというもので、心理カウンセリングなどの分野で活用されている手法です。
推測して気をそらす、相手からうしろめたさを引き出すというやり方があります。
推測して気をそらす
これは相手の心情を推測して、相手が取る行動の背景に関して、自分の中でストーリーを組み立てるという方法です。
例えば、親に対して何か気に障ることをしたわけでもないのに理不尽に怒鳴られた場合は、「もしかして仕事で嫌な事があって、ストレスをぶつけてきたのかもしれない。」
という風に、何か原因があって怒ったんだと理由付けします。
相手からうしろめたさを引き出す
気が済むまで相手が思っていることを吐き出させたり、行動を黙って受け入れることで、むしろ相手に罪悪感を持たせるという方法です。
自分が受け身になっていることを相手に気付かせることで、言動が行き過ぎてしまったと錯覚させることが出来ます。
ブッダの教えから学ぶ
私の心を軽くしてくれた本があります。それは『大丈夫、あのブッダも家族に悩んだ』という本です。
この本の著者の草薙龍瞬(くさなぎりゅうしゅん)さんは、大検を経て法学部を卒業し、仏教僧侶になられた方です。
自身も親との関係に悩んだ時期があるようで、インドやタイ、ミャンマーなどの仏教圏で修行を経たのち、様々な方へ教えを説かれています。
この本の興味深いところは、仏教の教えを現代に合うように落とし込んでおり、私たちの生活にも活用できる内容となっている点です。
その中でも、”業(ごう)”という教えが、親との接し方の視点を変えてくれました。
親が好きになれない場合、どうしても親という存在自体を否定したくなるものです。
しかし私は、近すぎず、離れすぎず、お互いにとって程よい距離感を保つことが大事だと思っています。
親も人間である以上、正解を見つけることは難しいです。
いずれ接し方がわかってくるかもしれません。
もっと長い目で人生を見つめてみましょう。
以上が記事紹介となります。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。